赤、白、黄色

桜があっという間に散って葉桜になりました。昔、長閑だった頃の新宿御苑の桜吹雪は素晴らしかったなぁ、などと思いながら葉桜の下を歩きました。葉桜の葉の色もいいですね。

 帰宅しましたら、鉢に紫色のヒヤシンスがきれいに咲いていました。

白とピンクのヒヤシンスは早くに咲いてくれたのですが、紫色は最後に咲きました。数年前に深大寺で臘梅の苗木を買ったのですが、植木屋さんが紫色のヒヤシンスをおまけにつけてくれました。これは娘の家に行ったのですが、引越や建築の間に消えてしまいました。また我家で咲いてくれて嬉しいです。

 その傍らに、なんとチューリップがきれいに咲いて風に揺れていました。昨年、球根を買いに行ったとき、かつての庭を思い出してチューリップを求めました。幼稚園で歌ったチューリップの歌の「あか、しろ、きいろ」を思い出して、この三色を買い、俄作りの花壇や鉢に植えました。 

たくさん球根があったので、泰山木の下に、まずは赤、白、黄色と1本ずつ植えてみました。ちゃんと色分けできるかなぁと心配でしたが、成功でした。

 はじめは白がたくさん開き、次に黄色が混じり、でもちょっと寂しいな、と思っていたらワッと赤いチューリップが後から咲きました。

俄作りの花壇に咲きました。チューリップは、今はいろいろ種類も色も多く、悩みましたが、まずはオーソドックな形にしました。

 ふと、大分昔読んだ団伊久磨さんの『好きな歌、嫌いな歌』を思い出しました。チューリップについて何と書かれていたか思い出せないのですが、私の好きな、というより馴染んでいた歌が数多く嫌いな歌に分類されていたので吃驚したのです。「ソソラソラソラ・・・」で始まるウサギのダンスや、「虫の声」だったでしょうか。「芸がない」というのが主な理由だったと思います。なるほど理屈なのですが、この歌が私は好きでした。今も好きです。まあ、好き嫌いに必ずしも理由はないかもしれませんが。

 中に入ろうと思いましたら、ピンクのカタバミが一群れ。この花が好きでした。

子供の頃、庭のあちこちにピンクのカタバミと黄色のカタバミが咲いていて、この花といっぱい遊びました。しばらくぶりに見るカタバミは昔の形で、懐かしく嬉しく思いました。昔好きだったガーベラや芝桜が園芸品種になって巨大化して、さびしかったのですが、昔そのままのカタバミで本当に、本当に幸せになりました。

 この花は今ももちろん好きですが。ハート型の葉は噛むと独特の酸味がありました。摘まもうかと思ったのですが、やめておきました。カタバミさんのおかげで、暫し幼稚園生に戻った気分で、幸せになりました。