春よ来い

 1月11日は昼も寒い一日でした。それでも平年並みだったそうですが。明けて翌12日は、朝こそ寒さを感じましたが、昼になるにつれて暖かくなってきました。よい日和に恵まれて、今年一回目のウォーキングに出かけました。この度は、杉並区内の、ある三角形の土地の一戸建ての家です。長さはともかく、幅がかなり狭い家です。三角形の鋭角の方は一間あるかないか、広い部分も二間位ではないかと思われます。

 写真で見た時から好奇心が刺激されていました。トコトコと目的地まで行きますと、確かに、それほど広くはない細めの三角地です。南側の上の道路から階段を降りますと下の道路にでます。二本の道路に挟まれた三角地にその家は建っていたのです。一階は白、二階は茶色を基調とした色合いのきれいな家です。三角地鋭角の角は小さな庭です。庭木も鉢植えもあります。家の東側の少し突き出た二階部分の下にはカバーに覆われた乗用車があり、その横にはオートバイがあります。南側と北側と東側に広い窓があり、風通しもよく、しかも外から覗かれない工夫のあり、うまい造りです。下の道路側に入口があり、南側には細長い庭があるようです。南側は上の道路までの緩やかな土手ですから圧迫感は軽減されるでしょう。自転車の数などから一人暮しではなく家族揃った家のようです。

 うまく造られているなあ、と印象深かったのは、上の道路と下の道路に挟まれ、上の道路からの土手の続きに家があることです。下の道路は車が通れる幅がありますから、密集地の一戸建てではないのです。周囲にこれ以上の建築物ができる可能性はありませんから、環境としてはなかなかなものではないか、と思われます。狭いながらも居心地のいい家を建てる、というところが設計士の腕の見せ所でしょう。最近、細長い二階建て、三階建ての家を各地で見ます。三軒、四軒連なった家のどこか一軒を建て替えるということは不可能に近いだろうと思われる場合もあります。でもここなら建て替えや修理も大丈夫と思われます。何方がどんなふうに暮らしておいでか、興味は尽きませんが、なかなか良い家だと感心したのでありました。

さて、いい散歩をしたと満足しつつ帰宅した道の途上で、なんと満開の梅の木を見ました。

ご近所の梅です。このお家にはたくさん実のなる柿の木もあって、ハロウィーンやクリスマスの時には柿の木の枝に飾り付けが現れます。今日は白梅に感動。きれいで心励まされました。もっときれいに写真が撮れるとよかったのですが。

 今年は暖冬とは耳にもし、感じてもいたのですが、1月の12日に梅が満開というのは遠い記憶を辿ってもありません。初めに印象に残った梅は、雪の日に凍えるような寒さの中で凛と咲いていた白梅です。寒冷地の郷里のことですから、3月半ばのことです。西荻窪は郷里に比べれば暖かい地ですが、1月末、2月初めはともかく、1月のこの時期は初めてです。

 梅の花が咲くと遠からず春になると思えますから、やはり嬉しいです。苦難の多い年の始まりでしたが、春の訪れとともに、どうか幸多い一年になりますように。