春初め

2月はあっという間に過ぎてしまいました。かつて年初は3月から始まり、2月は最後の月なので2月は日数が少ないと聞きました。28日か29日ですが、29日は閏年ですから4年に1度です。義父の命日は2月29日ですから、本命日は4年に1回です。2月末になると当時の頃が思い出されます。

1月末から、近所の家の庭には梅が咲きます。我家の梅はこの辺では一番遅く咲きます。義父の具合が重篤になっていく頃、2月も20日過ぎにやっと紅白の梅が咲きました。義祖母が紅白の梅を持たせて義父の見舞いに行ったのが最後でした。梅の花が間に合って良かった、と思いながら、病院を後に家路につく足取りは重かったです。今年も梅が咲きました。白梅は改築の時になくなり、数年前に見つけた白梅も枯れました。今年は赤い梅だけですが、近所より遅れて花を開き始めました。

かつての庭とはだいぶ変わりましたが、昨年から少しずつ庭に花の球根を植えました。ストックとパンジーの間から、水仙が出てきました。他に水仙の鉢もつくりました。ヒヤシンスも顔を出しました。きっともうすぐ咲くことでしょう。チューリップはもうちょっとのようです。

水仙がきれいに咲きました。少し前に大変寒い日が続いたので、可哀想だと思って家の中にいれました。するとどんどん背が伸びました。地面で育った水仙とは10㎝違います。次の年にも咲かせることが出来るよう、頑張ってみたいと思います。

少し前にお雛様を飾りました。節句の祝いを律儀に、楽しく繰りかえしてきた年月が思い出されます。ご馳走の献立は毎年同じです。五脚あるお雛御膳は、今はお内裏様のために二脚だけ出します。お赤飯、肉団子、焼魚、分葱の饅、卵焼き、お吸い物は毎年同じです。後はその時の顔ぶれでメニューが追加されます。

義母が生まれたときに揃えたというお雛様です。ということは、このお雛様は100年位昔のものなのですね。お顔が大分今のものとは違うようです。かつてはもっと雛壇が多かったそうですが、今はコンパクトにこの通りです。小さくてもなかなかよくできていて、箪笥は引き出しが開きます。

お雛飾りの時に掛ける掛軸です。家人の祖父母の時代、お向かいの小説家のご夫婦と仲良しで、ある年、皆で絵を描き寄せ、表装したものです。戦前のことでしょう。日本の内外では焦臭いことも多かったはずですが、これを見ているとまだ呑気に過ごすことが出来た日々だったのだと思います。そういえば、画紙や岩絵具、筆などの画材はまだとってあります。描いてみようかな、などと時々思いますが・・・

あちこちで雛壇飾りが催されていると聞きます。旅先でそうしたお飾りを眺めて歩いたら楽しいことだろうと思いました。