このところの日々

 近年、この時期には日本の至る所で、大雨、大雨に伴う土砂崩れ、土石流、堤防の決壊の災害が襲います。そのたびに人命が失われ、家を失い、夢も希望も奪われた人たちが途方に暮れます。次々に繰り返される災害に、以前に被災された方々の復興もままならないのに、新たに被災される方々がおられ、それを思うと、胸が痛むだけではなく、元気がなくなります。心の中で、宮沢賢治の「雨ニモ真ケズ」の一節を思います。

 このところの天災、人災、加えて酒類販売業者に対する行政の傲慢で卑怯な指示は、心をいたく萎えさせました。(撤回となったのは当然ですが、行政に関わる人々の中に、こうした恐喝まがいの言葉を口にする者がいるとは・・・。)感染 拡大の防止に努力している中での言葉の躓きかもしれませんが。また、決め手となるワクチン接種が遅れているため困っているのかもしれませんが。

 ただ、置かれたご自身の立場を思えば、ご自身の不用意な言葉が一般庶民にどのような影響を持つのかを考慮したならば、こうした言葉は出てこないでしょう。まして、水戸黄門に登場する地回りがご町内の庶民をいたぶるのとは異なり(これも許されないことですが)、国家をあずかる立場にある者が、銀行を恐喝の手先にするような文言は捨ておけません。大袈裟に言えば、国家が権力を悪用して庶民を困らせるという図式になるのではないでしょうか。悪意があったとは思いたくありませんが、地位と権力を持つ立場にある者は、その言動には心して慎重であってほしいものです。

 オリンピックはほとんどが無観客となりましたが、IOCは放映権のおかげで、開催さえされればOKということだそうで、開催そのものも大変ですが、無事に終わった後が恐ろしいです。ともかくも、どうか無事に閉会となってくれますように。開催中に、バブル(この言葉も連想の悪い言葉ですが。)の中であれ、外であれ、感染が広まらないようにと、心から願います。