掘り出し物

 久々に山の家に行って、放っておいたあれこれを整理しました。これまで二階はほとんど使用しないのを良いことに、置き場所のない家具や書籍その他雑貨の物置き場所になっていたのです。

 今回整理したものはたくさんの置物です。いただいたり、あちこち出かけて求めたりした人形などです。多くは、改築が終わったときに、家の中に納まりきれず、収納箱に入れたまま放置しておいたのです。小指の先の大きさの動物のオーケストラ、同じく小さな、小さなティーセット、豆粒のような水鳥たちなどなど。それが大きな座卓一杯に並べても、まだ数箱が出し切れずにおいてあるのです。どれもこれも愛着のあるもので、どれを残すか選ぶこともできず、後で何とかするということにして、再び収納箱に舞い戻りました。

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そういえば娘が小さな時には鳥の絵ばかり描いていましたっけ。今は鳥や熊のぬいぐるみを作って喜んでいますが。

 今回救出した唯一のものは花瓶か湯飲みか鉛筆立てかわかりませんが、娘が小学校5年のときに作ったものです。土をこねて轆轤を使わず形を整え、絵を描いて釉をかけて焼いたもののようです。子どもたちのものは何から何までみんな保存しておいたのですが、ほとんどはいつの間にか散逸してしまっていました。不思議に工作類は孫が喜んで遊ぶのでしばらくは第二の人生を送っていました。

 このたび掘り出し物となって現れた作品には小鳥の絵があり、kojurin(小寿林)と刻まれています。そういえば、小さな時から鳥の好きな子でした。巣から落ちた雀を介抱して空に戻す作業も喜んで手伝っていました。木から落ちてずぶ濡れになった尾長を抱えて帰ってきたこともありました。私は生物が家の中で同居するのは好みませんが、彼女のおかげでボタンインコ、小桜インコ、文鳥などを飼育する羽目になりました。おまけに巣から落ちた雀などが自然に戻るまで、臨時にしばらく居候します。

 改築後の家には鳥が気持ち良く過ごせるだけのスペースがありませんので、私としては平安な日々です。その代わり、娘が家族で泊まりに来るときには、オカメインコ二羽も一緒ですので、家の中が一段と狭くなった感じがします。

 娘の作った作品を見ながら、改めて面白いなと思い、良い掘り出し物をしたと嬉しくなりました。娘に言えば、どうせ「いらない」と言うでしょうから、これは我家を終の棲家にしてもらいましょうと思っています。