山でみつけたもの

 

このたびの山の日々は雨模様。山では雨が降っても、湿度が70%越えても、ジメジメしないので、過ごしやすいです。雨がやむと散歩に出かけます。今回は、散歩の合間に山で出会った初お目見えの花や虫がありました。

まずはミヤマクワガタ(深山鍬形)です。

ある朝、網戸に張り付いていました。鍬形はあまり動かない虫だそうですが、ほとんど動かないので、床に移しました。それでも動きませんので良い写真が取れました。いつの間にかどこかに飛んでいきました。

 

次が鶯葛です。鶯神楽の別名だそうです。

これはどちらも鶯葛です。なぜ鶯の名前がついているのか不思議です。

鶯葛は鶯神楽の別名だそうです。少しくすんだ赤い実と品のいい赤い花が美しい、風情のある花です。スイカズラ科の落葉低木だそうですが、花か実がついていないと、木と枝だけでは目立ちません。かつては茶庭で稀に使われていたそうですが、最近は庭木としても好まれているそうです。あまりきれいなので、家の庭に一つ欲しいな、と思いました。

これはイボタヒョウタンボク(水蝋瓢箪木)です。

淡い山吹色がきれいです。やや色の濃い黄緑色とよく合っています。

イボタヒョウタンボク(水蝋瓢箪木)は日本固有種で、フォッサマグナ要素の植物だと解説書にはありました。フォッサマグナとは「大きな溝」の意味で、糸魚川から静岡構造線の東側の地溝帯をいい、その南半分には限られた植物が見られるとのこと、これをフォッサマグナ要素の植物というのだそうです。ともかく、水蝋瓢箪木は水蝋の木に似ているのでこの名前です。水蝋の木は蝋を採るのに使われるそうですが、こちらはどうでしょうか。今の季節ですと淡黄色の花がきれいです。秋には真っ赤な実がなるそうです。これもスイカズラ科の落葉低木なのだそうです。学名(Lonicera demissa)はあるのですが、英名はないとのこと。日本固有種だからでしょうか。八ヶ岳や奥秩父の林縁に多く見られるそうです。

これはカンボク(肝木)です。

花の白さにハッとします。内側は少々黄味の架かった白です。紫陽花に似ていますが、葉も違いますし、この白さは紫陽花にはありません。

カンボク(肝木)はレンプクソウ(連福草)科のガマズミ(鎌酢実?)の仲間とのこと。解説書によればガマズミのガマは鎌でズミは酸っぱい実という意味だそうです。肝木の枝葉は民間療法ではいろいろな効果があるので肝要な木とされていて、そこから肝木となったという説があるようです。額紫陽花に似て、花序のまわりに装飾花が並んでいます。秋になると真っ赤な透き通った実がなるそうです。是非とも見たいものです。枝材は白くて丈夫なので総楊枝や器具材に使われたそうです。今も使われているのでしょうか。枝葉は薬用になるそうです。

少し歩いただけできれいな花に出会えました。しばらくこの辺の花を見つけようかと思います。この日は茸も見つけました。一つは紅茸でヌメヌメと赤い笠はいかにも毒茸の風情です。もう一つ名前のわからない茸も見つけましたが、これも食用にはならなさそうです。

そうそう、今回、建物の近くでたくさん鹿を見ました。こんな所まで、と思いましたが、彼らにはよい食事場所のようです。この辺の下草が彼らのご馳走です。そういえば、かつては建物の周囲は一面に草が生えていましたが、今は地面が見えるほど草も花も何も生えていないのです。なるほど、花豆の栽培や草花を育てているお家ではネットで囲いがしてあります。里のレタス畑は長いことネットで囲われ、鷹や鳶の形をした凧が地面近くを泳いでいます。今は、鹿の行動範囲が山の家々にも及んでいたのですね。まだ、立木の皮には手をつけていないようですが。あんな円らな可愛い顔をしてなかなか貪欲です。その様なわけで、地面には、彼らの食べない蝮草や毒のある草花だけが残っているばかりです。薄や足もとの小さな花々が見られず寂しいことしきりです。とはいえ、ネットで囲うというのも・・・。