東京の雪

今日は8日です。昨日は7日で七草粥、一昨日は6日で出初め式でした。日の過ぎるのは早いです。小学校の頃、6日には小学校の校庭に消防車が数台やってきました。半被姿の男たちが支える高い梯子の天辺で、同じく半被姿の火消しが梯子乗りの芸を見せてくれました。落ちやしないかとハラハラしながらも、その姿に魅了され、目を離すことができませんでした。最後は消防車のホースから5色の水が勢い良く放水されて行事は終わります。冬晴れの青い空の下、梯子乗りの姿は雄々しく、6日になると思い出します。

最近は新年のご挨拶回りは流行らないようですが、東京に出てくる頃まで、お年始の習慣はまだ残っていたように思います。そのころ、6日はお寺さんの年始参りなのでお年始には行かないとも聞いたように思いますが、聞き違いでしょうか。

さて、今年の6日は仕事始めで、天気予報に従い、万全の防寒姿で立川まで出かけました。玄関を出るときチラチラと小雪がちらついていました。帰りの電車から見る景色は真っ白でした。立川から西荻窪に進むほどに、窓から見える雪景色は白さを増していきます。駅の改札口を出たとき、目の前が真っ白になるほど風に吹き飛ばされる雪が顔に当たります。これは積もるかなぁと思いながら、滑りやすい道を怖々用心しいしい歩きました。午後遅くなっても雪はやみませんでした。見渡す限り真っ白で、すでに8㎝くらいは積もっていそうです。

f:id:kittozutto:20220107093944j:plain

葉を落とした柿の枝々に雪が積もりました。老木なのであんまりたくさん積もると重いだろうと心配します。空の青を背景に焦茶の木と雪の白がきれいです。

東京は時々吃驚するほど雪が降るのですね。もちろん雪国の方たちから見ればたいしたことはないのですが。しかも4月になってからも積もるほどの雪が降るのですね。何度かの東京に降った雪の思い出が蘇りました。上京したばかりの頃、時ならぬ雪に驚きながら山手線に乗ったとき、新宿近くの何本もの線路が並んでいるところで、無数の灯りが線路際に灯されている光景を見ました。薄暗い夕闇の中で夢幻の世界に誘う妖しくも美しい趣でした。ポイントが凍結しないように小さな火で温めているのだと聞きました。この寒い中、国鉄の皆さんはがんばっておられるのだなぁと思い、郷里の駅でお世話になった方々を思い出しました。

f:id:kittozutto:20220107093923j:plain

雪の中で椿が一輪だけ花を開かせました。開いたばかりで雪の冷たさと白さに吃驚しているようです。

東京の雪はすぐ溶けます。問題はその後の道路の凍結です。気をつけて歩かなければなりません。でも、一日、一日、春がやってくるのだと思います。お正月を過ぎて、日が少しずつ長くなっていくのがわかります。光も少し強くなってきたように思います。光に映えて雪がキラキラ光ります。今年が少しでもよい一年になりますように。