カモミール

 娘がカモミールの種を持ってきたので植えてみました。しばらくしたらたくさん芽が出て、葉が出て、たくさん出てきたので、庭におろしてみました。そしていつの間にかいっぱい花が咲きました。きれいだったので小さい、小さい一輪挿しに飾ってみました。

一輪挿しは吉祥寺のスウェーデン・レストランで記念にといただいた小さい花瓶です。カモミールの花はこの花瓶によく合いました。

 カモミールという言葉は東京に出てきてから知りました。一番最初に知ったのはカミツレです。実家にいたころ、家では日本茶しかいただきませんでしたから、紅茶も珈琲も他のお茶も実際には味わったことはほとんどありませんでした。カミツレは童話や物語に出てきた名前です。カモミールという名前を聞いた時、カミツレと同じものだとは思わず、だいぶ混乱しました。お話の中で、カミツレは風邪をひいたときに飲むお茶で、挿絵のよれば小さな白い一重の菊の花に見えました。

 一年ほどローマで暮らしたとき、近所の食料品店にはたくさんのハーブティーがあり、風邪をひいたというと、カモミールとミントのお茶を勧められました。調べてみたら、カミツレというのはオランダ語で、カモミールというのは英語なのですね。イギリスではカモマイルとも発音され、フランス語ではカモミーユと発音されるようです。

 庭育ちの花は家の中では弱く、一日で萎れてしまいますが、カモミールは元気です。毎日水を取りかえると1週間くらい元気です。花言葉は「逆境に耐える」、「逆境で生まれる力」、「清楚」、「あなたを癒す」、「仲直り」など、元気の出る言葉です。小学校の頃よく歌った薄紫の「野菊」を思い出しました。

 いい気分で眺めていたら家人がかわいがっているボタンインコがトコトコとやってきて花の周りを歩いては立ち止まり、歩いては立ち止まり。その様子があまりかわいいので、写真を一枚。鳥はあまり匂いがわからないそうですが、鳥も花を愛でるのでしょうか。

この子の名前はチップちゃんです。娘が小学生の時お友達からいただいたボタンインコの名前がチップちゃんです。この子は二代目チップちゃんです。私は生きものを飼う趣味はないのですが、家族はみな生きものが好きで、この子は去年我家にやってきました。カモミールが気に入ったようです。