新型コロナウィルス猛威

三月下旬のコロナウィルスの猛威は思わぬ展開になりました。当初、それは中国の一部の出来事でした。クルーズ船の悲惨を目の当たりにして、水際作戦の難しさを知りました。二月に入って学校が休校になり、多少は効果が出たという油断もあったか、我慢疲れでストレスが溜まったか、その後の急激な感染者の増加に恐怖を感じました。

恐らく、平安時代末法思想がうまれた時、流行病の猛威に京の人々は本当に恐ろしい思いをしたことだろうと思います。中世末期のヨーロッパには黒死病と呼ばれたペストが何度も襲い、人口が半減したとも三分の一になったともいわれます。その時、人々はなすすべなく、逃れるすべなく、ただ恐怖に怯えたことだろうと思います。往時の人々の気持ちが、今、現実感をもって理解できるように思いました。

今回のことで終始感じるのは、頑張っているのでしょうが、政府の対応の甘さや的外れです。当初の後手にまわった対応は仕方のない面もあったのかもしれません。が、今にいたってもしっかりした具体的な政策が出てこないこと、遅いことにがっかりすると同時に、先行きが案じられます。

このような状況では、感染者の数の多い大都市では、飲食店や観光業その他は休業にするしかないと思います。同時にきちんと休業補償をしなければならないと思います。夜の飲食店が・・・、不要不急のお出かけは・・・という点では、その通りだと思いますし、そうしなければいけないと思います。といっても、そこで働く人にとって、これは死活問題だと思います。(開店)休業がいつまで続くかわからないまま、休店となればその日から困窮することになるでしょう。

企業については、休業補償の保証は早い時期に出てきていましたが、零細企業、個人営業者、フリーランスなどについてはどうなるのでしょうか。現金支給の話も出ていますが、10万とか20万とか、それも6月に・・・とか。全くないよりはましですが、これは何ヶ月分の支給でしょうか。これで家族をもった働き手はいつまで凌げるのでしょうか。もっと安心して休業できるような、具体的に役に立つ応援をすることができないほど、日本は貧乏なのでしょうか。

現金ではなく商品券、寿司券、旅行券という話も聞きました。このニュースは本当でしょうか?その商品券の一人あたりの額はいくらでしょうか。また、どのお店で使えるのでしょうか。まして、各家庭にマスク2枚ずつ? 各家庭の人数やマスクの配送料などを思えば悲しくなります。布マスクあるいは家庭で使うマスクは簡単に作ることもできます。そのお金があるなら、医療関係、施設、マスクがないと命の危険に晒される可能性のある人たちに優先的に配布してほしいです。

これまでのことを言ってもはじまりませんが、これから重大局面を迎えようとしている今、舵とりをまちがえないでほしいと願うばかりです。そして、後手に回らないようにと祈るばかりです。どうか、組織とか理念に囚われず、この国に生きる、その日その日を懸命に生きる家庭、人々をしっかり支える政府でありますようにと祈ります。もちろん、一人一人の自覚と努力は言うまでもないことですが。