Web学会

コロナの日々が続き、大学はオンライン授業が続いているそうで、ベストではないけれど、今は仕方がないと、学生にも教師にも同情していたのですが、このたび、Web学会を経験しました。その前の評議委員会はやっと慣れてきたズームによるオンライン会議です。議事内容も進行の仕方も、通常の手順と変わらず、同じと言えば同じです。が、どこかで常ならぬ緊張をしているせいか、一同会しての会議に比べて疲れます。それでも手を拱いてコロナの日々の終焉を待つよりは、一歩でも前に進めた気がします。

続く研究発表は発表者の工夫次第で楽しめることが分かりました。原稿をアップするだけという形から、You Tubeを利用して発表原稿を読み上げるもの、ハンドアウトを示しながら原稿を読むもの、動画を利用する発表など、様々でなるほどと思いました。一堂に会することが出来ないならば、Webという形もありだなと思いました。その場合、こうした機器の扱いに長けているか否かが大事になってきそうです。

もう一つ良いのは、一週間くらいの期間、いつアクセスしても良いので、家で気楽にいつでも聞けるということです。テレワークの人たちが通勤時間無しで仕事ができるメリットと共通するかもしれません。ただ、満員電車での通勤は願い下げですが、空いた電車の往復は仕事と家との間の区切りを上手につけてくれる時間でもあります。ずっと家で仕事も休憩もとなると、生活のリズムを作るのが少し大変かもしれないと思いました。

コロナの日々がいつまで続くのかわかりません。政府は歯切れ悪そうに、緊急事態制限を発するほどのことはないと言っているようです。医療の現場がこれほど悲痛な状況になっているのに、なぜか一声が出ないのは、経済が回らない、その損失を補償する資源がないということなのでしょうか。Go to travelが感染を拡大させている証拠はないということですが、それなら何故感染者の多い地域に対して、不要不急の外出をしないように、と要請するのでしょうか。経済を最優先にして、医療崩壊がおきた時、経済はまわるのでしょうか。どう考えても、まず感染を抑え、それから経済を再開という順序ではないかと思うのですが。

不要不急の・・・という要請を受ける人たちにも温度差があって、「周囲に感染者がいないから大丈夫だと思う」と言っている人もいるようです。「身近に感染者が目につきだしたら、相当感染拡大が大変なことになっている時です」という医者のコメントは迫力がありました。

私としては、「周囲に感染者がいない」かどうか、分からないから用心をしてマスクをし、手洗いに精だし、消毒に気をつけ、不要な外出を控えているのです。しかも、マスク、消毒は完璧な予防になるというわけではなく、人に感染させないために有効だということですから、これまでの経験からいっても、人の動きを止めることが今は必要なのではないかと思います。

新型コロナの発症源といわれている中国は、かつてのような感染拡大はなんとか抑えられているように見えます。一つには、完全に活動をストップさせて感染を抑えてから再開したと聞いています。もしそれが本当なら、長々、ずるずる、中途半端な要請を続けるより、人の移動を一旦止めて、更なる感染を押さえ込むことが大事ではないかと思います。

その間、いつも通りにできないからじっと待っているというよりは、Webであれ、オンラインであれ、方策があればした方が良いと思います。でも、授業でも研究会でも、顔を合わせ、表情が見える方が充実感もあり、楽しい。研究会の後の懇親会も達成感に満ち、またお会いしましょう、という心持ちになります。

Webの研究発表を聴いた後、こうした形で学会を開くために尽力された方々に感謝の思いがいっぱいになったと同時に、また発表が聞けてよかったという思いと同時に、(オンラインではなく、実際に、)充実した顔々に会いたい、皆と「乾杯!」をしたい!と思ったことでした。