バス停終点、南善福寺

このところ、あまり歩かずグズグズしておりましたところ、かつての教え子が「キョウイク、大事ですよ!」と散歩を誘ってくれました。「キョウイク」とは、「教育」ではなく、「今日行く(所)」という意味で、このところのステイホームがすっかり身についてしまった私のような者は、今日行く所が大事ですよ、という意味だそうです。

以前に、杉並区の最高地点、最低地点、杉並区内に残る東京府時代のマンホール探訪に誘ってくれた人たちです。今回は、荻窪駅から出ている南善福寺行きのバスの終点にあるターンテーブルを見にいきます。そこから吉祥寺まで歩いて、デパートの屋上にある自販機で売られているパンがどんな物か見て、西荻窪に戻って遅い昼食を、という企画です。経年劣化で足に衰えがある私が、5㎞位なら歩けるかな、と言ったので、それに合わせての企画してくれました。

休日のある日、午前11時に西荻窪に集合し、まずは荻窪駅まで歩きました。バス停は北口側ですが、南口の方から歩きました。ゆっくり歩けば約25分、この停留所からは、北浦、武蔵関、青梅街道営業所などと一緒に、南善福寺行きのバスが出ています。50年も暮らしていて、このバスには乗ったことがありませんでした。乗客は多いのですが、みな青梅街道にある停車場で降り、終点まで乗る人はほんの数人でした。

バスは青梅街道を西に走り、井草八幡を左折し、東京女子大の北門を過ぎ、少し先に行ったところが終点です。青梅街道を外れますと、繁華街とは無縁の郊外の住宅街です。少し先に行ったところが終点です。

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蔭になってしまいましたが、ターンテーブルに乗って半周して向きを変えたバスです。

さほど広くはない広場が停車場で、そこにはいわゆる駐車場で使用されているターンテーブルがあります。バスはターンテーブル上で半周しますと運転手席が発進方向に向き、そこで乗客が降りるということになります。なかなか面白い、楽しい体験でした。

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バス停です。ターンテーブルで半周しますと目に入る看板です。赤色は日に晒されると消えてしまいますが、消えずに読めるということは、書き換えられているのでしょうか。律儀さが見えるような気がしました。

さて、次に目指すは吉祥寺にあるデパートです。屋上にパンの自販機があるというので、どんな物かと見にいくことにしました。デパートまでは歩いて10分かそこらでしょうか。屋上に行ってみますと、そこは広々とした休憩所(?)でしょうか。一面に人工芝の緑が広がり、小さな子どもを連れた家族がのんびりと日向ぼっこをしています。空は雲一つない快晴。真っ青です。人の数も少なく、子どもは喜んで走り回り、ゴロゴロ転がり、楽しそうです。喧しいという感じがしないのは、広さと空に一杯広がった開放感のせいでしょうか。お守りを一人残して代わりばんこに買い物に行くグループもいます。デパートの屋上といえば、かつては小規模遊園地、季節によってビアホール。ここは引退世代が日向ぼっこするにも良いところだと思いました。

さてパンの自販機です。たくさん並ぶ自販機の一つに、確かにパンがありました。手作りのおいしそうなサンドイッチなどがありますが、ちょっと高価です。デパート内でも販売されているらしいので、チェックしよう、などと言いながら、屋上の九階から階段で当売り場に行きました。自販機で販売されている品以外にも他にもいくつか種類はありますが、正午に近い時分時とはいえ、いくつかはすでに売り切れ。値段は自販機と同じでした。

チェックを済ませ、いよいよ、最終目的地、出発点と同じ西荻窪駅です。最短距離はほとんどが駐車場になっているガイド下を歩くことですが、それでは面白くないので、線路沿いの住宅街を歩きました。吉祥寺は五日市街道に直角に南北の道が数多くありますが、中央線は東京からほぼ直線で走っており、五日市街道とは斜めに交差します。ですから、道なりに歩きますと、どんどん線路からは遠ざかりますので、折々に、北側を歩く時は右に、南側を歩くときは左に曲がりながら進みます。

ガード下を歩く時は30分位ですが、住宅街を歩くときは40分位かかります。というわけで、住宅街から、駅近くの飲み屋通りを通って、(昼間から、かなり大勢の昼飲みの小父さんたちが楽しげに・・・、)駅に辿り着きました。だいぶ歩きましたので、私たちは飲み屋ではなく、駅近くに一軒だけあるファミレスで、遅めの昼食美味しくいただきました。