昨日の朝、雨上がりの庭で土筆を摘みました。古い建物を取り壊した部分を囲むように、咲き乱れる花ニラの中に黄水仙が其処此処にみずみずしく花開き、それを覆うように土筆がいっぱい、杉菜は更ににいっぱい。小さい笊に柔らかそうなところを摘みました。夜、灰汁抜きをして下茹でをしました。
今朝起きて吃驚、摘んだままの土筆を置いておいた小机のの上に薄緑というか鶯色というか、細かい粉が小笊の大きさに振りまかれていたのです。これは胞子だそうです。土筆の胞子を見たのは初めてです。それにしてもこんなにも胞子が出る植物だったのですね。食したいが袴葉の処理が、と億劫に思っていたのですが、こんなにも生命力のある春草なのかと感動しました。
そして夜、卵とじにしました。ついでに鰙と蕗の薹の天麩羅をあわせてみました。
徳島から持ち帰った「芳水」が良くあいました。かつて春になると食卓に現れた小皿の御菜を思い浮かべ、食卓を囲んだ懐かしい顔を思いだし、心の中で言葉を交わしながら、春の味をゆっくり楽しみました。